◎弁論終結後の和解室◎

本日は、被告・某大手サラ金業者A社との過払い返還訴訟の第三回口頭弁論期日。

当然、本日、弁論終結して、後日判決が言渡される手筈と思っておりました。

被告準備書面にも、擬制陳述する旨も書いてあったので、原告当方のみの出席で、新たな証拠として提出したものを証拠調べしてもらい、粛々と終わるものと思っておりました。

定刻、裁判官が入廷し、開廷され、粛々と証拠の原本を裁判官に見てもらい、判決日はいつかな~と思っていると、ドアが開く。

被告の許可代理人である。
最後の訴え、被告会社の窮状を切実に語り、和解を強く主張する。
当方としては、判決しかないなとおもっていたので、和解の話をしても仕方ないなと思っておったところ、本日は、司法委員の先生も待機していないので、裁判官が仲裁役に入るということである。
法廷では、弁論終結して、判決言渡し日を決めてもらった上での弁論終結後の和解交渉ということで、法廷外の廊下で待つことになった。

その際、時間があり、被告会社の許可代理人の方と挨拶をして、現在の状況などをお聞きする機会を得た。

やっぱり、情勢は厳しいみたいである。隠し資産もなければ、総量規制及び店舗・人員の縮小により、貸し出しによる利息収入も激減、過払い訴訟の激化、相当苦しいとのことである。
それをまるまる信用することはできないが、1年前では考えられなかったことなのだが、訴訟の度に出廷してきては、和解の場を求めてきて、少しでも金額を減額しようとしてくる姿勢を見ていると先行きとしてはやはり不安なのであろう。

今まで、被告会社の方と直接面と向って法廷以外で話す機会がなかったのであるが、よさそうな方でした。

裁判官が黒い法服を脱ぎジャケット姿で戻ってこられ、いつもとは異なる法服の威圧感がなくなった裁判官のもとで、被告・原告の和解条件をそれぞれ一人ずつ和解室にて聞いてもらうことになった。

まずは、被告の提案を聞いてもらい、その後、原告の当方が入室し、その提示について意見を述べ、こちらの希望する金額と返還期日を伝えた。
それから、当方は退室しまた被告が入室し、話してもらい、被告の希望により、直接原告と話をしたいとのことで、当方が入室を促され、さらに再度窮状をお聞きした。

当方がいくら『優』という看板を背負っていようが、依頼者の意向を代理人として反映しなければならない。

被告としてのMAXの提示も拒絶して、裁判官に判決をお願いし、和解は不調に終わった。

和解と判決、和解をしてメリットがなければ、するべきではないと考えている。
依頼者によっては、早期に解決をしたいとのことで、和解を希望する方もいらっしゃるが、訴訟前に和解交渉をして、不調に終わって、裁判になり、3回の立証手続きを経たこの段階での和解でのメリットはそんなにない。

今回の訴訟、いつもの論点である悪意の受益者であるか、一連取引であるかの前に、第三者による弁済、残債務ありでの特定調停成立後の裁判ということでの論点があることから、どんな判決になるかも分からないけれども、今回の依頼者の意向である、『時間がどんだけ掛かっても最大限の回収をお願いしたい』との思いに応えるためにも、安易に和解はできない。

目~弁論終結後の和解室の一コマでした~目

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