@家督相続の効力発生日@

昭和22年まで旧民法において制定された「家制度」のもと、戸主による地位と財産権の承継制度、「家督相続」が行われてきました。

家督相続は、戸主が死亡した時、隠居した時、戸主が別戸籍に移った時、日本国籍を失った時等になされます。

相続人の戸籍調査をしていると、たまに昭和22年以前の承継が発生しており、旧民法が適用させる場面があります。

では戸籍に「大正10年1月1日戸主A死亡」「前戸主A死亡ニヨリ家督相続届出同月10日受付」と記載がある場合、家督相続の効力発生日は、死亡の日か、家督相続の届け出の日か、どちらでしょうか。
 
大正10年1月1日の戸主死亡の日です。

届出は必要ですが、現在の相続と同じく、家督相続の原因が発生した日が効力発生日だそうです。
死亡以外の原因では、それぞれの手続きが完了した時点が家督相続の効力発生日になります。
ただし、旧民法には同時死亡の推定規定(民法第32条の2)がなかったため、戦争や災害などで、複数の親族が死亡し、死亡の先後がわからない場合には、裁判等で相続人を確定させるしかなく、混乱が生じていたそうです。

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第32条の2
数人の者が死亡した場合において、そのうちの一人が他の者の死亡後になお生存していたことが明らかでないときは、これらの者は、同時に死亡したものと推定する。