@司法書士、行政書士と弁護士との違い~業際問題について②~@

四つ葉司法書士、行政書士と弁護士四つ葉

弁護士は司法書士、行政書士の上位資格です。
したがって弁護士の資格を有する人は司法書士、行政書士業務の業務をすることができます。(法律上できるのと、実務上できるのは違う!・・・と思いたいです)

さて、訴訟代理権が弁護士にしかないことは当然ですが(※認定司法書士は簡易裁判所の訴訟代理権があります)、訴訟以外の事件で司法書士、行政書士が業務としてどこまですることができるでしょう?

この点は弁護士法第72条に規定する「法律事件に関する法律事務」に該当するかどうかが重要になります。

判例によると「弁護士法72条の「その他一般の法律事件」とは、同条例示事件以外の、法律上の権利義務に関し争いがあり、若しくは権利義務に関し疑義があり又は新たに権利義務を発生させる案件を指し、また、同規定にいわゆる「その他の法律事務」とは広く法律上の効果を発生、変更させる事項の処理を指す(横浜地裁判決1984年10月24判夕553号198頁)」となっております。

つまり、争いが発生している、又は争いが発生しそうな案件を処理することは弁護士にしかできません!!逆にいいますと、争いがない案件について司法書士、行政書士がその業務の範囲内において助言・説得を含め合意形成に至る道筋をリードし合意書・協議書等にまとめることは可能です上向きカーブ矢印

司法書士、行政書士ができない業務例

・紛争が生じている遺産分割について折衡を行うこと
・交通事故示談にあって加害者側が事故責任を否認しているのに対して、代理人として交渉し賠償金を一方的に請求する行為
・内容証明で催告したが、相手方が、その債権の存否、額等を争うことを通知してきたことに反論する行為
・行政書士が聴聞手続きにおいて、取消等の理由の根拠となる法令について意見陳述を行う行為(事実関係の意見陳述しかできない)

弁護士法
(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
第七十二条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。