◎相続土地国庫帰属制度について◎

相続土地国庫帰属制度に関する具体的なご相談がございましたので、法務局に事前相談に行ってまいりました。

 

司法書士会の研修などで、いろいろ学んでいたつもりでいたが、知らないことも多く勉強になりましたので、ここでもシェアして、どなたかのお役に立てればと幸甚です。

 

今回は、地目は農地、実際は木が生い茂っております土地が2筆。合計1000㎡程の土地。

相続登記の依頼のあった本体ではない土地です。

売却見込みが得られないということでのご相談でした。

 

まず、基本的なところから、申し上げますと、1筆14000円で申請が可能です。今回は、2筆ですので、28000円の収入印紙を貼付することになります。

 

負担金は地目により異なり、農地であれば、1128000円のところ、森林なら261000円、雑種地や原野なら面積に関わらず20万円となるとのことです。

そういうこともあり、事前に現況にあった地目変更をされることをお勧めしていただきました。

これで、雑種地や原野に地目変更できるのであれば、面積に関わらず20万円で負担はすみますので、有益な情報です。

 

あと、相続登記をせずとも、相続人全員の印鑑証明書と実印押印をもらえれば、手続きは可能ということです。

 

あと、申請するのに、非常に重要なことは、隣地との杭が打ってあることになります。

杭を打ち、その写真を撮って、図面化し、申請することになります。

これは、境界確定までは必要ではないらしく、その図面に基づいて申立てがあったことを隣地所有者に法務局から通知し、2ケ月以内に異議があれば申出するように促すようです。異議がでれば、その調整は必要になるのですが、異議がでなければ、2度目に通知を送り、それでも異議が出なかったら、そのまま手続きは進んでいくようです。

そういう意味では手続きが停滞することなく、とりあえず、前に進んでいく手続きでありますので、やる価値はあると思います。

 

その他、枝が落ちて、隣地に迷惑であるなど、定期的に伐採が必要ある場合、する必要が生じることもあるようです。

全部の手続きとしては、8ケ月くらいで終結させることになっているようです。

 

司法書士としての立場は、書類作成代行者という立場ですので、相続人全員の実印を申請書に押印してもらい、印鑑証明書をもらう作業が必要になります。

 

当方の感想としては、境界が確定していなければ引き取ってもらえないという当初の印象でしたが、ある程度緩い印象を持ちましたので、今後この制度を利用する方は増えていくかもしれないなと思いました。

【優司法書士法人関連サイト】
司法書士を京都・滋賀でお探しなら優司法書士法人 
相続・遺言専門サイト@優司法書士法人
優遊ブログ
みんなの家族信託