◎遺言書とは違う内容での遺産分割協議◎

遺言書の内容と違う内容での遺産分割協議をすることはできるのでしょうか?

答えは、できる場合もできない場合もあるかと思います。

相続人以外の第三者が受遺者となる場合は、基本的にできません。
しかし、第三者が遺贈の放棄をすれば、遺産分割協議も可能となります。

注意しないといけないのが、遺言執行者が定められている場合です。

実務上は、民法1013条の遺言の執行への妨害行為禁止の規定に違反することから遺言執行者の同意は必要となります。

受遺者が相続人である場合で、遺言執行者も相続人である場合は、遺産分割協議をする時点で、遺言の内容を放棄することを示すことになるので、そんなに気にする必要もないかもしれませんが、遺言執行者が第三者である場合には、故人との関係で、いくら相続人全員が遺言の内容とは異なる遺産分割協議をすることを同意していたとしても、故人の遺志を尊重したいという遺言執行者もいる可能性は当然ございます。

故人としては、遺言内容を実現してもらう為に、遺言執行者を定めてるわけなので、遺言執行者としても、安易に遺言内容と異なる遺産分割協議に同意することは、出来ないと思われます。

相続人への特定遺贈であれば、遺贈の放棄をした上で、遺言執行者である第三者に同意をしてもらえばよいでしょうが、包括遺贈となると、相続放棄の手続になるので、その後の遺産分割協議ができなくなるということも考えられます。

可能性だけ考えたら、いろいろ出てきますので、難しいことは、こんなところにしますが、正直、遺言者である故人のことを思うと、遺言で遺した遺志を是非、実現してあげてほしいと思ったりもするのが人情だったりもしますうっしっし